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<定番のフルーツ、それぞれの健康効果>
☆みかん
みかんなどのかんきつ類は、フルーツの中でも栄養価の高さはトップクラス。
皮の白い部分にはビタミンPが含まれ、毛細血管を強くすることで、動脈硬化を予防します。
また、皮膚や粘膜を強くするカロテンや、がん予防に有効なリモネン、抗酸化作用のあるビタミンC、Eやフラボノイドも含んでいるのです。
特に注目すべきは、βクリプトキサンチンを多く含む点。
ビタミンCとの相乗効果で、感染症予防や免疫力アップが期待できるため、風邪予防に効果的です。
☆りんご
みかんと同じく、定番フルーツのりんごですが、こちらも高い栄養価を誇っています。
ビタミンやミネラル類、有機酸などの他、水溶性食物繊維のペクチンなど、コレステロールの吸収を阻害する成分も豊富に含まれているのです。
さらに、低カロリーでありながら腹持ちがいいことから、ダイエットにも効果的。
りんごの皮にも、ポリフェノールアントシアニンが豊富に含まれ、抗酸化作用によるアンチエイジング効果が期待できるので、ぜひ皮ごと食べましょう。
☆バナナ
スポーツ選手がよく競技のために食するバナナは、消化のいいエネルギー源として注目。大腸で善玉菌の栄養になるオリゴ糖も豊富に含まれます。
あまり知られていませんが、ポリフェノールによる抗酸化力もフルーツの中でトップクラス。バナナを摂取することで、動脈硬化の予防やがん抑制効果が期待できます。
バナナの効果は、精神にも及びます。精神を安定させるセロトニンの材料になる物質を豊富に含んでいるのです。
エネルギー源となるバナナの糖質は、熟す程にその割合が高くなるため、皮に黒い斑点(シュガースポット)が表れた頃を目安に食べるといいでしょう。
☆いちご
冬から春にかけて、旬を迎えるいちごは、ビタミンCが豊富です。
中程度の粒なら、7粒で1日に必要なビタミンCを摂取することができ、風邪予防に効果的です。
豊富に含まれるのは、ビタミンCだけではありません。
いちごの成分に多く含まれる食物繊維ペクチンは、血糖値の上昇を抑えるとともに、腸内の善玉菌を増やして高血圧や大腸がんを予防してくれるのです。
また、女性に嬉しい健康効果も多く期待できます。
いちごを食べると、体内でコラーゲンの生成が促され、シワを予防できますし、逆にシミの原因となるメラニンの生成を抑えてくれるのです。
その他にも、虫歯予防に役立つキシリトールやフラボノイドも豊富に含まれています。
☆ぶどう
果汁たっぷりのぶどうの主成分は、果糖やブドウ糖などの糖質。これらの糖質は体内ですばやくエネルギー源となるため、疲労回復効果が高いと言えます。
ぶどうの栄養効果は、実は皮に多く含まれているのです。ぶどうの鮮やかな紫色を作っているのが、抗酸化作用のあるポリフェノールの一種、アントシアニン
アントシアニンは体内から活性酸素を取り除き、老化を防ぎ、視力機能の回復や肝機能の向上を期待できるのです。
そのまま食べてもいいですが、干しぶどうにして、皮ごと食べると、ミネラルも増加するため、さらに栄養効果が高まります。
☆スイカ
夏になると、スーパーの果物売り場で存在感を増すスイカは、腎臓病予防や夏バテ防止に効果があるとされています。
果肉には抗酸化作用のあるB-カロテンやリコピンが含まれ、高血圧や動脈硬化の予防効果が期待できます。
皮には、カリウムアミノ酸が多く含まれ、むくみの改善にも有効です。
なお、スイカには、シトルリンというウリ科野菜特有の健康成分が含まれており、血管を若返らせ、血流を増加させることにより、新陳代謝の上昇や、疲労回復、冷え性の緩和、動脈硬化予防の効果が期待できます。
収穫直後のスイカは特に甘くおいしく食べられますので、ぜひ積極的に食べましょう。
☆パイナップル
手軽に食べられるトロピカルフルーツの代表です。
パイナップルには、糖質の分解を助け、代謝を促すビタミンB1が多く、さらにビタミンB2,C、クエン酸も含まれるため、疲労回復や夏バテ防止、さらには老化防止などが期待できます。
また、消化を助けるたんぱく質分解酵素であるブロメラインが含まれており、パイナップルに豊富にある食物繊維との相乗効果により、胃液分泌を活発にして胃腸の健康を保つ効果があるのです。
酢豚にパイナップルが入っているのは、このような効能によるものとされています。
☆メロン
やわらかい果肉と、甘い香りが魅力のメロンは、カリウムを豊富に含んでいます。
カリウムは、体内の余分な塩分を排出してくれるため、高血圧や肥満の予防に効果的です。このような効果から、食後のデザートにするといいでしょう。
病気見舞いのときに、よくメロンが重宝される理由も、健康効果にありました。
メロンは他のフルーツと比較して、食物繊維が少なく消化が良く、しかも即効性のあるエネルギー源であるブドウ糖や果糖、疲労回復効果のあるクエン酸を含んでいるため、病後の食事としても、非常に優れているのです。
わたの部分にも、アデノシンという血液サラサラ効果や育毛効果のある成分がありますから、ぜひわたも一緒に召し上がってみて下さい。
☆梨
みずみずしい、シャキシャキした食感を持つ梨は、水分量が多く、低カロリーのため、食後のデザートに最適です。
果実にたっぷり含まれている果糖やリンゴ酸、クエン酸には疲労回復効果があり、糖アルコールの一種で清涼感のある甘味成分であるソルビトールには整腸作用があります。
他にも、たんぱく質分解酵素であるプロテアーゼを含んでいるため、肉と一緒に料理することで、肉をやわらかくし、消化しやすくしてくれる働きも。
なお、シャリシャリとした食感のもとになっているのはリグニンとペントザンと呼ばれる食物繊維。腸のぜん動運動を促し、便通を改善してくます。
☆アボカド
フルーツとは思えないような濃厚な味を持ち、「森のバター」とも呼ばれるアボカド。
その濃厚な味のもととなる脂質には、コレステロールを減らす働きがある不飽和脂肪酸オレイン酸)がたっぷりと含まれており、動脈硬化を予防します。
また、ビタミンB1、B2,E,ミネラル、食物繊維も豊富で、高血圧や脳梗塞の予防にも効果的。
アボカドの果肉から抽出されるアボカドオイルには、食用のみならず、老化や肌荒れを改善する美容液としても活用できます。
☆柿
柿の渋み成分であるタンニンには、アルコールを分解する働きがあり、利尿作用のあるカリウムも豊富のため、二日酔いを緩和してくれます。
ただし、タンニンは、血圧の上昇を抑えながら、鉄分の吸収を妨げますので、貧血気味の方は食べ過ぎないように注意しましょう。
柿の健康効果で特筆すべきは、強いがん予防効果です。
柿の色素に含まれるβクリプトサンチンは、カロテノイドの一種で、カロテンの5倍もの抗ガン作用があるとされているため、積極的に食べておきたいフルーツと言えるでしょう。
さくらん
真っ赤な見た目のさくらんぼには、ポリフェノールの一種、アントシアニンが含まれており、毛細血管の強化や、疲れ目の回復、生活習慣病や老化の原因となる活性酸素の生成を抑えるという働きがあります。
また、ビタミンCをはじめ、リンゴ酸やクエン酸ブドウ糖や果糖が含まれているため、疲労回復や美肌効果、高血圧予防も期待できるのです。
糖アルコールのソルビトールが大量に含まれていることから、便通を促し、食物繊維との相乗効果により、大腸がんの予防につながります。
☆梅
こちらは、そのままで食べることはできませんが、梅干しや梅ジャムに加工することで、おいしく食べられるフルーツです。
他のフルーツとの顕著な違いは、その酸っぱさですが、そのもととなるクエン酸には、疲労回復効果があります。
さらには、肩や首のこりといった筋肉や神経の疲労回復の他、食欲増進、利尿効果も。
クエン酸にはカルシウムやマグネシウムなどの吸収を助ける働きがあるため、イワシなどと一緒に梅干しを食べると健康効果が増加します。
☆すもも(プルーン)
すももは、日本すもも(プラム)と西洋すもも(プルーン)に大別されます。
プラムには、カリウムが豊富。利尿効果や高血圧予防の効果があります。
プルーンには、ミネラルや血を作るためのビタミンB群も豊富で、鉄分も多いため、貧血予防に効果的です。
スーパーなどでよく見かける乾燥プルーンは、抗酸化作用のあるカロテンやエネルギー代謝に必要なナイアシンなどを豊富に含んでいます。
このように、身近なフルーツにも、それぞれに特有の健康効果があります。

次のトピックでは、普段あまり目にしないフルーツをご紹介しましょう。やはり、それぞれに異なった健康効果がありますので、あえて珍しいフルーツを手にとって、楽しみながら食べてみてはいかがでしょうか。